請求書払いとは|メリットと導入前に知っておくべき注意点【効率化事例あり】

  • 取引の増加により請求書払いのニーズが増えた
  • 導入したいが、運用のノウハウが社内にない

請求書払いに関してこのようなお悩みをお持ちではないでしょうか?

請求書払いとは、一定期間の取引をまとめた請求書を発行し、それをもとに指定日に入金をする後払いのことを指します。「掛け払い」とも呼ばれ、企業間取引の決済手段として一般的な方法です。

しかし、即時に決済される方法ではないため、確実に売掛金を回収するためにさまざまな業務が必要で、負担も大きいです。

本記事では請求書払いの基本的な流れや企業が陥りがちな課題を解説します。

では、この「掛け売り」はなぜBtoB取引で重要なのか、請求書払いによるメリット・デメリットにはどんなものがあるかについて、基本的な仕組みに触れながらわかりやすくお伝えします。

請求書払いの手間と不安から解放します。

請求代行「NP掛け払い」を利用すれば、請求業務に悩まされることなく、売上拡大につながる業務に集中できます。まずはお気軽に資料をご覧ください。

請求書払いの流れ

請求書払いとは、以下のように1ヶ月など一定期間の取引をまとめて請求書に記載して支払いを求める「後払い」のことです。

基本的に請求書払いは、上図のようなステップで進みます。社内で必要な業務は以下4つです。

納品はどのような決済手段で行っても、同じものなので、本章では納品を除く4ステップについて簡単に流れを説明します。

1. 与信審査(契約書の締結)

会社で決めた与信基準に基づき、取引先企業の支払い能力を確認します。与信基準は、賃借対照表をもとに決めるのが一般的です。

取引の機会損失をしないかつ、未回収が発生しないバランスの良い基準を設定します。

新規の取引先とは、帝国データバンクに調査を依頼するなど、財務諸表分析表の売上高や利益といった財務状況を参考にして、取引額の枠や与信の有効期間を決めます。

与信管理については「与信管理とは?未回収リスクを防ぐ効率的な運用や担当部署を解説」で解説しています。

2. (納品後)請求データに基づく請求書の作成・送付

納品をしたら、営業担当が入力したデータや注文情報をもとに請求書を作成します。

請求書発行には以下のとおり記載が必要な項目があります。

  • 請求書発行日
  • 請求先の氏名または会社名
  • 自社の会社名および連絡先
  • 取引年月日
  • 内容(商品名やサービス名)
  • 請求単価および数量
  • 消費税額(商品毎およびサービス毎)
  • 商品やサービスごとの請求額および請求合計額
  • 振込先の銀行名・口座番号・振込期限

請求書の作成担当者は営業担当者であることが一般的です。

請求内容を上司に報告し、承認を受けたら、経理担当者が請求書を郵送や電子メールで買い手企業に送付します。

請求書作成や承認のフローは煩雑化しやすいので、効率化については「請求業務を効率化するには|課題を解決する5つのチェックポイント」をご参考ください。

3. 入金消込

請求書通りに入金がされているか、会社の口座と請求情報を突合して確認します。各データは一般にExcelに落とし込み、目視で確認していくことが多いです。

確認できた場合は、消し込みし、確認できない場合は営業担当による催促や督促に移ります。

入金消込の効率化については「入金消込とは?Excel管理の弱点と最も効率的な方法を徹底解説」をご覧ください。

4. 催促(督促)

消し込めなかった請求について、まずは営業担当から買い手企業の担当者に連絡を取ります。「入金忘れ」や「請求書の紛失」であれば、すぐに入金してもらえる場合が多いです。

しかし、経営が悪化して払える状況でない場合やなんらかの悪意で入金を拒んでいるときは、法的な手段に則り、督促が必要です。

督促の方法については「図解でわかる督促!催促との違いから督促状の書き方まで解説」で解説しています。

請求書払いのメリットとデメリット

請求書払いを導入する際には、商品やサービスを提供して請求書を発行する「請求側」と、商品やサービスの提供を受けて請求書を受領する「支払側」の影響を整理して理解する必要があります。

本章では双方の立場から考えられるメリット・デメリットを紹介します。

請求側のメリット・デメリット

請求側のメリットは取引の都度入金の確認をしなくてよくなることです。

商品やサービスを提供する取引の回数が多ければ多いほど、入金確認のオペレーションが多くなり煩雑になってしまいますが、請求書払いであれば予め決められた期間の取引と入金確認を一度にまとめて処理できます。

細かいオペレーションが一度にまとまることで、効率良く業務を進められるでしょう。

また、請求書払いに限らず決済手段を増やすことは、支払側のニーズに答え売上取引の機会を増やすことにも繋がります。

請求書払いだけでなく、クレジットカード払いも含まれるいわゆる「掛売り」に分類される決済手段が利用されるのは、決済手段の効率化が可能であるためです。

掛売り取引のメリットやデメリットが知りたい方は「1からわかる掛売り|メリット・注意点と負担を楽にする方法」をご覧ください。

一方、デメリットは「売掛金を回収できないリスク(未回収リスク)」があることです。後払いという性質上、企業の利益が確定するのは「取引が成立したタイミング」ではなく「入金がされたタイミング」となります。

入金されないと、当該取引にかかった営業や顧客対応の人件費、商品・サービスの代金などがすべて無駄になります。請求書払いを健全に運用していくためには、未回収をいかに発生させないかが重要です。

売掛金の未回収によって起こる問題や防止策については「売掛金回収の最も効率的な方法とは|未回収時の対処法も紹介」をご覧ください。

支払側のメリット・デメリット

支払側のメリットは、資金繰りの運用が計画的にできることです。

請求書払いではなく取引の都度支払う場合は、細かな資金確認を行わなければならず、支払い手続きや振込手数料も多く掛かってしまいます。

請求書払いであれば、決められた日にまとめて一度に支払を行えるため、資金繰りの計画が立てやすいです。また、発生する支払手数料も一度で済むため資金の負担も軽減されます。

一方、支払側のデメリットは信用リスクに注意しなければいけないことです。

もし請求書の支払遅延が多発してしまった場合は取引先の信用を損なってしまい、継続取引を行えなくなってしまう可能性があります。

そのためには受け取った請求書の管理を徹底する必要があり、管理負担が増えてしまう場合があります。

自社で運用する課題は請求代行の導入で解決

請求書払いの最大のデメリットは未回収が発生する可能性があることですが、売掛金はしっかり回収できていても、与信管理や請求発行対応にかかるリソース不足といった課題に悩まされるケースが多くあります。

うまく運用できない企業には、請求代行サービスがおすすめです。請求代行は煩わしい請求書払い業務の一部または全部を代行してくれるサービスです。

例えば請求代行「NP掛け払い」を導入すれば、下図の業務を代行します。

CSV登録やAPI連携で入力した請求データに基づき、NP掛け払いにて請求書を発行・送付します。NP掛け払いが売り手企業から債権を買い取るため、入金の管理、顧客対応、督促なども代行範囲です。

本章では、以下の課題に対して実際に請求代行サービスを導入して解決した事例を紹介します。

1. 適切な与信審査の仕組みが作れない

与信審査は支払い能力を確かめる重要なステップですが、審査基準を厳しくしすぎると取引できる企業の数が絞られ、ゆるくすると未回収が生じる可能性が高くなります。

「バランスがとれる基準で設定する」というのが重要です。しかし、絶妙な基準を設定するのはなかなか難しいでしょう。

また、営業担当者からすると、与信が通るかわからない企業への営業活動は精神的に負担がかかります。与信に落ちた場合、営業活動は無駄になり、発注してくれた企業の担当者にも心苦しい返事をしなければなりません。

請求代行サービスで解決!住友ゴム工業株式会社様


制振ビジネスチームの製品「MIRAIE(ミライエ)」の販売をしている住友ゴム工業株式会社様では、中小企業や個人規模に近いお客様との取引が多く、与信審査に時間がかかることが課題でした。

規模の大きくない企業の場合、手続きに必要な書類の準備に手間取ってしまうこともあります。時間をかけて用意してもらったのに審査に落ちてしまい、取引ができなかったり、大口の注文をしてくれるお客様にも与信枠の範囲での取引をお願いしたりと、自社運用に課題を感じていました。

そこで与信審査から督促まで代行する「NP掛け払い」を導入し、与信スピードは90%短縮。与信の状況がわかるため、取引先に最適な提案ができる体制づくりにも繋がりました。

2.入金消込に膨大な時間がかかる

入金消込は、「販売管理システム」「金融機関口座」のデータをExcelで目視で確認して行うことが多いので、以下に当てはまる場合、非常に負担が大きいです。

  • 取引先企業が多い
  • 同じ額の請求が多い
  • 会社名と振込名義が異なることが多い

例えば、請求データが100個あったとき、すべて違う請求金額であれば、請求金額である程度照合ができます。しかし、すべて同じで、会社名と振込名義が合わない入金があった際、場合によっては取引先に確認をするコストが生じてしまいます。

請求代行サービスで解決!みんなのマーケット株式会社様

インターネット商店街「くらしのマーケット」を運営されているみんなのマーケット株式会社様では、個人事業主のお客様が多い特徴から、入金消込に膨大な時間がかかっていました。

振込名義が屋号でなく、名前のこともあり、請求金額が同じ事業者の場合、金額でも名前でも照合できないことがあります。自社で入金照合をしていた際は、毎月2〜3名の担当者が1週間ほどをかけて作業。

工数やリスクの高さから、他の改善策を検討し始め、「NP掛け払い」を導入しました。

削減できたリソースを顧客対応をはじめとするサービス品質向上に還元できるようになっています。

3. 少額の請求業務の負担が大きい

取引金額の大小に関わらず、請求業務には一律の業務が必要です。1,000万円の請求書でも、1万円の請求書でも、作成や送付、催促に同じだけの時間がかかります。

少額の請求の場合、電話一本で入金してもらえればよいですが、何度も連絡したり、法的な手続きをとったりするには、費用対効果として合わなくなってしまうことがあります。担当者の時給が5,000円のとき、請求業務に2時間以上がかかると、実質赤字の状態になるためです。

したがって、少額の請求が多い企業ではどれだけスムーズに売掛金を回収できるかが非常に重要です。

請求代行サービスで解決!株式会社Donuts様


クラウド勤怠管理サービス「ジョブカン勤怠管理」の運用をされている株式会社Donuts様では、サービスの急速な拡大に伴い、営業・経理担当者への膨大な請求業務が負担になっていました。

導入者数が約2,000社になった頃、請求業務を社内で処理する難しさを危惧。特に、社員数が数名の小規模な企業様への対応はどうしても後回しになる傾向がありました。

そこで請求代行サービス「NP掛け払い」を導入。3〜4人の社員が4,5日間かけて行っていた請求書の発行業務を、現在はひとりで完結できるようになっています。

未入金の督促や回収作業を含めると、必要な時間や能力は1/4まで削減。営業担当の負担も大幅に減り、2012年以降、前年比500%で成長を続けています。

まとめ

請求書払いとは企業間の決済方法として、一般的な後払いの信用取引です。toB事業を運営していれば、取引先から請求書払いを求められることは多くあるでしょう。

自社での運用を目指す企業も多いものの、以下の課題から事業の停滞要因になったり、社員の生産性低下を招くこともあります。

  • 適切な与信審査の仕組みが作れない
  • 入金消込に膨大な時間がかかる
  • 少額の督促で消耗している

業務負荷を分析して、社内の対応が難しいと判断できた場合は、請求代行サービスをはじめとする外部のサービスを利用することを検討してみましょう。

請求代行については「請求代行のサービス範囲はどこまで?メリットと導入の判断基準」で紹介しています。

請求書払いの手間と不安から解放します。

請求書払いへの対応を始めるのは簡単なことではありません。「運用が煩雑化している」「自社で対応できるか不安」といった悩みを持っている方は、請求代行の利用をご検討ください。
  • 請求書払いに対応して取引の機会損失をなくしたい
  • 営業や顧客対応など生産的な業務に時間をあてたい
NP掛け払いを利用すれば、請求業務に悩まされることなく、売上拡大につながる業務に集中できます。まずはお気軽に資料をご覧ください。

FAQ

  • 請求書払いとは?

    1ヶ月など一定期間の取引をまとめて請求書に記載して支払いを求める「後払い」のことです。

    具体的なステップは「1. 与信審査」「2. 請求書の作成・送付」「3. 消込」「4, 催促(督促)」になります。各ステップの詳細は「請求書払いの流れ」で紹介しています。

  • 請求書払いにはどのようなメリットがある?

    都度払いがなくなることが最も大きなメリットです。同じA社とB社の取引でも、月に何度も発注が生じる場合、毎回振込や入金するのは業務負荷が高いでしょう。

    詳しくは「請求書払いのメリットとデメリット」で解説しています。

  • 請求書払いの導入が難しいのはなぜ?

    適切な与信審査の仕組み作りや入金消込を効率化するのが難しいためです。

    うまく運用ができない場合は、請求代行サービスを利用するのもおすすめです。

    詳しくは「請求書払いでよくある困りごと|自社で運用する課題」で紹介しています。

BtoB・企業間後払い決済/請求代行サービス「NP掛け払い」