請求書発行にまつわるミスや手間は、どう解決すべきか。

本格的なAI時代の到来がすぐそこまで来ていると言われる今日でさえ、昔ながらの“手作業”や“人海戦術”が幅を利かせている業務領域があります。それが請求書の発行。必要なデータを作成し、印刷し、封入し、郵送するという定型的なルーチンワークであるにもかかわらず、なぜか自動化やペーパーレス化が進んでいません。そればかりか、月末や月初には社内の経理部門はもちろん営業などほかの部署まで駆り出され、この煩雑な作業に追われることになります。当然、本来のコア業務が圧迫され、売上にも悪影響が出かねません。

ここでは、企業間取引に欠かすことのできない業務でありながら、社業を著しく停滞させかねない請求書発行作業にどう対応すればよいのかについてご紹介します。

気づいていますか? 部下の生産性を低下させる要因が請求書発行にあることを

掛け売りが企業間取引の基本である以上、請求書発行は必ずついて回るもの。ただし、冒頭にも述べたように、手作業や人海戦術に頼り過ぎる業務のため非常に効率が悪く、それが元で月末や月初など作業が集中する時期には経理部門だけでなく、営業までも駆り出されるなどして社内全体にそのしわ寄せが行くことになります。

とくに看過できないのは、会社をけん引すべきプロジェクトリーダーまでがこうしたルーチンワークに巻き込まれるケース。小規模な組織、ベンチャー企業などではこの傾向が顕著です。しかし、直接的な利益を生まない業務に一時期とは言え社員全員が参加することで、通常業務は大幅に停滞し、生産性を著しく損ねることとなります。こうした事実を企業の経営陣、管理職はどの程度まで把握しているのでしょうか。

紙の請求書を印刷・封入・送付──請求業務の定型化可能な作業

今やオフィス業務のさまざまな領域でITを活用した効率化が進んでいます。ところが、例外もあります。それが請求書発行業務です。この業務では、「請求書データを作成し、印刷したものに押印する」「それを挨拶状などとともに封入し、郵送する」など、かなり前近代的な手法が取られています。

金額の入力やデータ作成は確かにExcelや販売管理ソフトで合理化されているように思えますが、手作業が基本であることは変わりません。また、作成した請求書をプリントアウトするのもひと手間ですが、一部ずつ押印する非効率さは相変わらずです。封入作業では請求書を手作業で三つ折りして、糊づけし、口を閉じる必要があり、ここだけでも3つの工程が発生しています。

請求書の額面や請求内訳にミスがあれば確認・訂正作業に追われ、再発行までにまた多くの時間と手間を費やすことに。こうした過程を経てようやく発送の準備が整ったと思ったら、今度は郵送作業が待っています。これで、取引先が期日通りに入金してくれればよいのですが、そうでない場合は営業担当が外回りを断念して督促や回収に奔走しなければなりません。

こうした大変な作業に経理担当だけでなく営業社員や社内のほかの部署も駆り出され、丸1日、2日を費やすと、通常業務が停滞してしまいます。このムダをコストに換算したらどれだけの損失になるかおわかりいただけるでしょう。経営者の方なら、少し考えただけでも背筋が寒くなるはずです。

BPOを活用して非効率な請求業務をまるなげしよう

このように、請求書発行業務によってもたらされる深刻なロスはどうやったら解消できるのでしょうか? それは、請求書発行業務をアウトソーシングすること。そうすれば、非効率な手作業が社内から一掃されすべての部門、部署が本来の業務に人的、時間的リソースを集中できるようになります。もちろん、専門業者に依頼するので請求書の品質そのものも確保でき、不慣れな作業でミスを頻発することもありません。

このように、煩雑な事務処理などを社外化する動きは「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」と呼ばれ、日本でも多くの企業が採用しています。請求業務にこのBPOを活用すれば非生産的な作業やリソースをカットし、事業の成長発展に直結する業務により注力することが可能です。

まとめ

企業の生き残り競争が激化を増す現代では、社内に存在する多くの非効率業務を排除し、本来のコア事業に自社のリソースを集中することが求められています。その意味で、請求書発行業務のアウトソーシングは時代の必然と言えるでしょう。

すでに、さまざまな決済代行会社が存在しますが、大事なのは請求書発行だけでなく代金回収、入金管理、催促、未回収リスク保証まですべてに対応したものを選ぶこと。「NP掛け払い」はまさに請求業務のすべてをワンパッケージにした頼もしいBPOと言えます。