売り手として、豊富な決済手段に対応していることは顧客満足度や売上の向上につながります。購入意欲があっても、望んでいる支払い方法がないことで購入を断念する消費者や企業もいるためです。
ただし、さまざまな決済手段に社内で対応するのは労力がかかるため、決済代行の活用を検討しましょう。
本記事では決済代行の仕組みや利用するメリット、会社選びのポイントを解説します。
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決済代行とは請求や入金管理を代行するサービス
決済代行とは、消費者や買い手企業に「もの」や「サービス」を提供した際に発生する決済手続きを代行するサービスです。
代行可能な決済手段はサービスによって異なりますが、現在一般に利用されている以下のような支払い手段の契約や手続きを代行会社に任せることができます。
- 現金払い・代金引き換え
- 請求書を利用した掛け払い(BtoB)
- コンビニ支払い
- 銀行振込
- 口座振替
- クレジットカード(デビットカード)
- プリペイドカード
- 電子マネー
- QR・バーコード
- 携帯キャリア
決済代行のメリット
決済代行を利用すれば、手続きの煩雑さが軽減されたり、扱える決済手段が多くなるだけではなく、売り手企業にとって以下2つのメリットがあります。
1. 決済の選択肢が増えることで、売上拡大につながる
リソース不足などにより導入する決済サービスが限られた場合、消費者や買い手企業が選択できる決済方法も限られてしまいます。ユーザーは利用できる決済手段がないことによって商品やサービスの購入意思があるにも関わらず決済を諦めてしまう「カゴ落ち」が発生し、売上の機会損失につながるリスクがあります。
総務省が発表した「令和3年版情報通信白書 」によると、インターネットで購入する際の決済方法は以下の割合となっています。
引用:令和3年版情報通信白書|総務省
クレジットカードが多数ですが、2位以降はコンビニでの支払いや現金で支払う代金引換が入っています。クレジットカードを持っていない人や積極的に使いたくないと考えている人が一定数いると考えると、現金での支払手段は用意したほうが売上につながりやすいでしょう。
決済代行を活用する事で、決済種別の導入に制限をかけることなく、消費者や買い手の選択が増え、結果として売上拡大につながります。
2. 顧客単価の向上
スマートフォンでの決済機能の拡充やクレジットカードの普及により、現金を多く持ち歩く消費者が少なくなってきています。
実店舗を運営する場合、現金取引だけではなく様々な決済サービスを導入することにより、現金取引に比べ消費者の決済種別の選択肢が増えて、決済額が多くなるため客単価のアップが期待されるでしょう。
3. 事務作業や入金管理の負担軽減
自社のみで決済を管理する場合、以下の対応を自社で行う必要があります。
- 契約書手続き
- 与信管理
- 決済手段ごとの入金管理
- 督促
決済代行を利用することで、煩雑な事務作業や入金管理が一本化され、限られたリソースでも複数の決済手段を扱うことができるようになります。
決済代行の選び方|5つのポイントが重要
決済代行のサービスには「決済手段をまるごと導入できる決済代行」と「決済業務自体を代行してくれる決済代行」の2種類があります。
「決済手段をまるごと導入できる決済代行」は、店舗販売などBtoC向けに多様な決済手段の導入が必要な場合におすすめですが、多くの決済手段は必要なく顧客への請求や手間が掛かる管理業務を任せたい場合には「決済業務自体を代行してくれる」サービスを活用しましょう。
本章では「決済業務自体を代行してくれる」サービスを選ぶ際に重要なポイントを5つ紹介します。
1. 開発コストがかからず、導入に時間がかからない
決済代行会社の中には、決済システムを企業ごとにカスタマイズするサービスもあります。業務フローに合わせて開発できるため、一見便利そうにも感じますが、開発コストがかかることに加え、導入にも時間がかかってしまいます。
他企業にはない独自のビジネスモデルで事業を展開しているわけでなければ、汎用的に使える柔軟性の高いサービスを選ぶと良いでしょう。
2. 顧客にとって使いやすい
決済代行サービスの中には、取引先や消費者が決済代行サービスのサイトに登録しなければいけないサービスもあります。
顧客にとって負担がかからない作業であれば、問題ないかもしれませんが、導入前に実際に自社で支払いをしてみて、できるだけお客様にとってわかりやすく、誰でも使える仕組みのものを使いましょう。
3. 信頼できる会社が提供している
決済代行会社に売上を管理させることになるため、導入実績や会社自体の信頼性も重要です。会社の信頼性については「上場している」「創業年数が長い」といった項目で判断できます。
導入実績は以下2つの観点から見てみましょう。
- 自社に近い業種の導入実績
- 導入している企業の売上規模
決済代行の利用には、当然費用がかかるため、業種や売上規模によっては導入しても費用対効果が上がらない可能性もあります。しかし、自社に近いビジネスモデル・売上規模で利用している企業がいるのであれば、費用対効果が出ていると考えられるでしょう。
4. 十分なセキュリティー対策がされている
決済代行会社は大切な顧客情報やクレジットカードの情報を扱うため、セキュリティー対策は万全か確認する必要があります。
決済代行の利用において注意しておくべきリスクは次の2つです。
- 情報漏洩
- クレジットカードの不正利用
もし情報漏洩が発生してしまった場合、取引先や消費者からの信頼を失ってしまい、今後の取引に大きな影響が出てしまいます。クレジットカードの不正利用が発生してしまった場合は、チャージバック対応として、販売した商品代金分を損してしまう場合があります。
セキュリティーで損をしないように、決済代行会社が講じているセキュリティーの基準は必要要件を満たしているのか、適切なシステムを導入しているのか確認しましょう。
5. サポート体制が充実している
コールセンターや営業担当者とコンタクトが取りやすい、サポート体制が整備されたサービスを選びましょう。決済に関することで顧客から相談やクレームがあった際、営業担当者ではなく、オペレーターに直接問い合わせをする顧客もいるでしょう。
その際、対応が雑だったり、スムーズに回答が返せないと顧客満足度を下げてしまう可能性があるためです。
「請求書や振込書が来ていない」「振り込んだのに督促されている」などの問い合わせを、自社だけで処理できることは少ないはずです。
また、コールセンターがあっても実際には繋がりづらかったり、対応がマニュアル化されていて柔軟性がなかったり、サポートが不十分なこともあります。契約前に、担当者に繋がりやすさを聞いてみたり、オペレーターが対応できないケースがないかを確認してみると良いでしょう。
決済代行の導入が企業に与える影響とは?【導入事例】
【企業間取引】与信スピード90%短縮に成功!住友ゴム工業株式会社
住友ゴム工業株式会社は、制震ユニット「MIRAIE(ミライエ)」などゴム製品の製造・販売を行う企業です。「MIRAIE(ミライエ)」の販売において、与信管理の負担を大幅に削減し、効率的な営業活動を実現するために、NP掛け払いを導入されました。
特に課題を抱えていたのは「与信管理にかかる手間と時間」でした。
<課題>
- 与信に必要な手続きが多い
- 小規模な事業者は書類の用意に時間がかかっていた
- 時間をかけて審査を始めたのに落ちてしまうことがあった
<NP掛け払いで解決!>
- 導入前は数週間かかっていた与信審査が「1〜2日」に!
- あらかじめ与信枠を把握することで、適切な内容を提案
- 与信落ちによる営業担当の精神的負担がゼロに
住友ゴム工業株式会社様では、NP掛け払いを導入したことにより、与信審査にかかる時間が90%削減。スピード感のある取引が実現できるようになりました。
また、書類を出したのにもかかわらず、審査落ちしてしまうことがなくなったため、営業担当の精神的負荷も削減。与信枠を考慮した提案ができるようになり、お客様にとってもメリットの大きい効果が出ています。
自社請求を切り替え、業務負荷が100%削減|みんなのマーケット株式会社
みんなのマーケット株式会社は、出張・訪問サービスに特化したインターネット商店街「くらしのマーケット」を運営しています。
出店事業者数の増加に伴い、お支払い遅延の対応数、未回収額の増加が会社の課題となっていました。
<課題>
- 支払い遅延をなくすことができない
- 支払われるまで督促を続ける必要があるため負荷が慢性化していた
<NP掛け払いで解決!>
- ほぼすべての入金照合作業を社内から削減
- 空いたリソースでサービス品質の向上に注力できるように
NP掛け払いの導入で、毎月2~3人の担当者が一週間程度かけていた入金照合作業を削減することができました。
削減できたリソースは出店事業者へのコンサルティングやお問い合わせ対応などに回し、サービス品質の向上に注力できています。
まとめ
決済業務は、導入する事業によって「実店舗向けの決済代行サービス」「EC向け決済代行サービス」「企業間取引向けの決済代行サービス」の3つに分類できます。
売上金の管理や回収はどのような事業を行う上でも重要なものですが、手間と負担が大きく、通常業務の停滞につながりかねません。そこで、決済代行サービスを利用することで、煩雑で売上に直接的にはつながらない業務を社内から切り離すことができます。これらの手間を一挙に委託することが可能になります。
サービスによって決済だけを代行するものもあれば、請求書発行まで対応できるもの、与信から未回収リスクの補償までを行うものまでさまざまです。自社にとって必要な決済手段を見極め、円滑な経営活動に繋げましょう。