【企業間取引】経営者が知るべき掛け売りのプロセスと深刻な問題点

企業間取引の決済方法である「掛け売り」には、現金取引やそのほかの決済手法と比べてさまざまなメリットがあります。しかし、初回の取引に際しておこなわれる与信審査や毎月のように発生する請求書の作成・発行・送付、未入金時の督促・代金回収など掛け売りに伴う一連の業務は手間も時間もかかり、月末や月初めには、経理以外の人的リソースを割く必要に染まられることもあるためコア業務、通常業務に影響が出てしまいます。

ここでは、掛け売り取引のプロセスを確認しながら、どこに問題があるのか、どのような解決策があるのかについて見ていくことにします。

企業間の取引で請求書払いが一般的な理由

掛け売りとは、取引先に支払いを1か月という単位でまとめてもらい、その総額を翌月末に支払うようにする決済手法で、「後払い決済」とも呼ばれます。この掛け売り決済の利点のひとつが、「支払い業務をシンプルにできること」。商品やサービスを提供するたびに、現金を受け取っていては売り手だけでなく買い手も面倒です。しかも、現金でも企業間取引では請求書を発行する必要があるため、余計な手間が増えるだけです。

ほかにも銀行振込や口座振替といったオーソドックスな決済手法はありますが、振込のたびに窓口に出向く手間が生じたり、単発的な取引や金額の異なる取引が混在するようなケースには向かなかったりと、不都合な点が少なくありません。

クレジットカード決済は、請求書払いと同じく掛け売りの一種ではありますが、扱える金額に上限があるため大きな取引には向かないという弱点があります。企業間取引で請求書払いが主流となっている理由は、ほかの決済方法のこうしたマイナス面を解消できるからと言えるでしょう。

請求書払いで発生する業務にはどんなものがある?

ただし、ほかの決済手法より企業間取引に向いている請求書払いにもデメリットがあります。それは、下記に示すような煩雑な業務プロセスを伴うことです。

 

取引前 与信審査 初めての取引となる相手先について、適正な支払い能力があるかを信用調査会社などに問い合わせ、その結果から取引の可否を判断します。審査終了まで一定の時間を要するため、取引開始までタイムロスがあります。
請求書作成

発行

発送
入力 Excelなどに請求額や請求先などのデータを入力していきます。ミスがないよう慎重にデータを入力する作業は経理担当者にとって大きな負担になります。
請求書データ作成 フォーマットにデータを落とし込んでいきます。なお、販売管理ソフトではこの段階で請求書データに角印などを押印したり、電子署名を加えたりする必要があります。
印刷 作成した請求書データを印刷し、一部ずつ押印していきます。印刷の手間、押印の手間は枚数に比例して大きくなります。
封入 印刷・押印済みの請求書を挨拶状とともに封筒に入れ、切手を貼って封を閉じます。また、封筒の宛名を印刷する作業もあります。全体に手作業が中心となるため、もっとも手間と時間がかかる工程です。
発送 準備ができたら、請求書を郵送します。郵便局に集荷を依頼することもできますが、部数によっては受け付けてくれないこともあり、その場合は経理部門の誰かが業務を中断して郵便局に請求書を持ち込まなければなりません。
請求後
消込作業 経理部門は、請求書と入金データを照合しながら入金済みの項目を消し込んでいきます。未入金がある場合は、当該の取引先に対して督促をおこないます。
督促 指定した期日に入金がない場合は、担当の営業が通常業務を中断して取引先への督促に奔走します。

 

請求書払いの難点は「コストと労力」

このように、請求書払い決済には膨大な業務が伴います。しかも、1か月の取引が2~3件程度ならまだしも数十件を超えるとなると決済時期に社内の人的リソースを請求書発行や送付作業に集中しなければならず、業務効率が下がります。経理部門だけでなく営業担当が請求業務を兼務したり、督促に駆り出されていたりするような企業では、新規開拓など本来注力すべきコア業務(=営業活動)に注力できず、業績にも影響します。

もちろん企業にとって決済業務は、利益を確定するために不可欠なプロセスです。しかし、利益を生む本来のコア業務を圧迫する状況であれば、自社のリソースに頼るのではなくその道のプロに任せるべきでしょう。つまり、決済代行サービスを活用し、これまで社内でおこなってきた決済業務を「まるなげ=アウトソーシング」するということです。

まとめ

コストと手間がかかる決済業務は、決済代行サービスを導入しましょう。2,300社以上が利用する「NP掛け払い」なら与信管理から請求書発行、入金管理、催促・代金回収まですべてのフローを代行でき、しかも未回収リスク保証などのフォロー体制もあります。これで企業は営業活動などのコア業務に集中できるようになるため、業績の向上や事業の安定的な成長が望めるでしょう。