【22年版】ECの決済方法9つを徹底比較|導入前に知るべき選び方

「ECの決済方法はたくさんあるけど、どう違うの?」

「今、主流の決済サービスはどれなのだろうか 」

「決済代行会社は、何を基準に選んだらいいの?」

ECサイトで使える決済方法には、さまざまな選択肢があります。使える決済方法がなく購入を断念した人は60%もいる(※)というデータもあり、決済方法が売り上げに与える影響は無視できません。

参考)SBペイメントサービス株式会社が2021年2月に発表した調査結果

しかし、多すぎる決済方法は手間やコストがかかり、事業者の負担になる場合もあります。自社でECサイトを作るなら、決済方法は幅広く用意したいものですが、どこまで対応すべきか迷ってしまうでしょう。

大切なのはそれぞれの決済方法の特徴を知り、自社のサービスや商品を購入するお客様が求めている決済方法を選ぶことです。

そこで本記事では、商品やサービスに合う決済方法を選べるよう、顧客ニーズの高い9つの決済方法についてメリット・デメリットを整理します。

《9つの決済方法とそれぞれの特徴》
決済方法 特徴
クレジットカード 最も普及している決済方法、利用者、事業者双方にメリット大
コンビニ 24時間いつでも支払える手軽さがメリット
代金引換 商品と引き換えの安心感が魅力、手数料がネック
銀行振込 手続きがわかりやすく安心して使える決済方法
後払い 安心感のある後払い、代行会社利用で未回収リスクなし
キャリア 携帯料金と合わせて決済、スマホユーザーにも手軽
電子マネー 若年層を取り込みやすい手軽な決済方法
モバイル決済 paypayやLINEPayで手軽に決済、利用拡大
外部ID決済 個人情報入力の手間なし、小規模サイトで導入増

さらに、スムーズに導入できるよう、決済代行会社を選ぶポイントもまとめました。自社に合った決済方法を選び、顧客満足度を高めて売り上げアップに貢献するECサイトを実現しましょう。

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ECサイトで使われる決済方法:1位はクレジット、2位はコンビニ、3位は代金引換

まずはECサイトで求められている決済方法を紹介します。導入する決済方法はお客様が求めているものであることが大前提ですが、そもそもどのような決済方法が好まれているかを確認してみましょう。

下図は総務省の「通信利用動向調査(令和2年)」にて、「ECサイトの買い物で使った『決済方法』をすべて教えてください」という問いの結果をまとめたグラフです。

※引用:総務省|総務省通信利用動向調査(令和2年)

第1位はクレジットカード払いで、その割合は75%です。第2位はコンビニエンスストア払いで36.5%、第3位は代金引換24.6%と続きます。クレジットカード払いの利用率は圧倒的に高いため、最も利用されているのはクレジットカード払いと言えるでしょう。しかし、他の決済手段を無視してよいわけではありません。

前述のアンケート結果から、クレジットカード払いとそれ以外の決済方法の割合を占めるグラフにまとめ直しました。

参考:総務省|総務省通信利用動向調査(令和2年)より編集部作成
※総回答数から各項目の回答数を算出し、割合へ変換

クレジットカード払い36%に対し、それ以外が64%の割合です。シェアが高いのはクレジットカード払いですが、6割以上のケースでクレジットカード以外の決済方法が選ばれているわけです。

また、本調査において、1人が選んだ決済方法の種類は平均値で2.15です。1人あたり2つ以上の決済方法を使っていると考えられます。(注:編集部計算 回答数/回答者数=41,7834/19,452=2.15)

消費者は自分の経済状況や各種決済手段の利用状況にあわせて購入時にベストなものを選んでいるため、クレジットカード払いだけでは、全てのニーズには対応できません複数の決済方法をどのように組み合わせて用意しておくかが大切ということが読み取れます。

人気ECサイトでは何を導入している?売上高トップ30サイトの特徴

クレジットカードは外せない一方、他の決済手段は比較的利用者数に大きな違いがありませんでした。そこで、利用者の多いECサイトで用意されている決済方法を一覧にまとめ、各社が優先的に導入しているものを整理してみました。
こちらの表は、2020年度の売上高が高い順にECサイトを並べ、用意されている決済方法を表にしたものです。

《表:売上高上位のECサイトで利用できる決済方法》

順位

会社名 売上高 クレジット コンビニ 代引き 銀行
振込
後払い キャリア 電子
マネー
モバイル決済 外部ID決済

主要
商材


1

アマゾンジャパン 2兆1,852億円


総合

2 ヨドバシカメラ 2,221億円 家電
3 ビックカメラ 1,487億円 家電
4 ZOZO 1,474億円 衣料品
5 ユニクロ 1,076億円 衣料品
6 オイシックス・ラ
大地
1,001億円 食品
7 ジャパネットたかた 790億円 家電
8 上新電機 717億円 家電
9 ニトリ 705億円 家具
10 ヤマダ電機 700億円 家電
11 ディノス 623億円 総合
12 デル 600億円 PC
13 マウスコンピューター 562億円 PC
14 千趣会 560億円 総合
15 アダストリア 538億円 衣料品

16

ジュピターショップ
チャンネル
530億円

総合

17 LOHACO 529億円 日用品
18 ベイクルーズ 510億円 衣料品
19 ベルーナ 486億円 総合
20 キタムラ 470億円 カメラ
21 エクスプライス 448億円 家電
22 イトーヨーカドー 432億円 食品
23 オンワードホールディングス 416億円 衣料品
24 ミックスドットトウキョウ 407億円 衣料品
25 ワールド 389億円 衣料品
26 QVCジャパン 360億円 総合
27 アイリスプラザ 330億円 雑貨
28 ユナイテッドアローズ 326億円 衣料品
29 MIストア
(三越伊勢丹)
315億円 総合
30 高嶋屋
オンラインストア
297億円

総合
決済方法 件数合計 30 17 26 18 11 8 6 11

14

※売上高データの参考:通販新聞|通販新聞「ネット販売白書売上高調査
※各サイトの決済方法は編集部調べ(2022年1月末時点)

用意されている決済方法の件数は以下の順に多い結果となりました。

  1. クレジット:30件
  2. 代引き:26件
  3. 銀行振込:18件
  4. コンビニ:17件
  5. 外部ID決済:14件
  6. 後払い;11件
  7. モバイル決済:11件
  8. キャリア:8件
  9. 電子マネー:6件

クレジットカード決済の導入率は100%、次いで多いのは代引きで、8割以上のサイトで導入されています。その次に銀行振込、コンビニと続きます。売上高に関わらず、3割から4割のECサイトで用意されているのが、後払いやモバイル決済です。

後払いは、ECサイト上では「ツケ払い」「ゆっくり払い」などの名称で知られています。導入した11社のうち、6社は衣料品を主とするECサイトです。

モバイル決済とは、PayPayをはじめとするスマホなどのモバイル端末で行われる決済のこと。もともとは実店舗で利用者が広がっていたQRコード決済が、ECサイトでも利用できるようになったことをきっかけに導入が増えています。

また、売上高順位が下がるにつれ増えているのが「外部ID決済」です。21位から30位の10社では、8社が導入しています。楽天やAmazonに登録している支払い方法を使って決済するサービスです。個人情報などを改めて入力する必要がないため、利用者の利便性が高い決済方法です。

用意されている決済方法の種類は、ECサイトによって幅があり、2つだけというサイトもあれば、7つ以上と幅広く選べるサイトもあることはわかります。30サイトで用意された決済方法の種類は、平均で4.7となり、4種類以上の決済方法を用意しているサイトが多いと言えます。

現在1〜2種類程度の決済手段を持っているECサイトは、4種類を目安に決済方法を拡充していくとよいでしょう。本章ではどの手段を導入するかを決めるため、主要な決済方法の特徴や、メリットデメリットを整理していきます。

主な決済方法7つのメリット・デメリット

決済方法ごとの主な違いは、支払いの仕組みや支払いタイミング、支払いにかかる手間や手数料などです。
そこで、下記の主な決済方法7つについて、特徴とECサイト利用者・EC事業者それぞれの立場からみた、メリットデメリットを整理してみました。

1.クレジットカード:最も普及している決済方法、利用者、事業者双方にメリット大

クレジットカード決済は、クレジットカードを利用したキャッシュレス決済です。カード番号やセキュリティコードなどのクレジットカード情報をECサイトに入力してもらい決済します。
利便性の高さから利用者が多く、最も普及している決済方法です。利用率が高いのは、利用者にも事業者にもメリットが多いことが理由です。

利用者側のメリット

  • 手元に現金がなくても決済できる
  • 銀行やコンビニに支払いに行かず家にいても決済できる
  • 明細の管理がしやすい
  • クレジットカードのポイントが貯まる

クレジットカードはカードさえ持っており、上限金額を超えなければ、経済状況に関わらず購入できるのが特徴です。カード会社が一時的に立て替えてあとから請求が来るため、給料日前等で預金残高が厳しくても決済できます。
利用明細を見れば、使用履歴を確認できる点も利便性を高めており、最近はWeb上で明細確認できるカード会社も多いです。
一方で、不正利用や個人情報の漏洩などの心配から、ECサイトにカード情報を入力することに抵抗を覚える利用者やそもそもクレジットカードを持たない人も一定数います。JCBが発表した「クレジットカードに関する総合調査」によると、クレジットカードの保有率は全年齢で86.6%です。
ほとんどの人が持っていると言える一方で、20代の男性の保有率は74.4%と10%以上下がります。若年層向けのECサイトであれば、特にクレジットカード以外にも決済手段を導入しておきたいでしょう。

事業者側のメリット

  • 現金がないことによる販売機会の損失を防げる
  • 購入への心理的ハードルを下げられる
  • リピーター獲得に効果が望める

クレジットカードでは分割払いやリボ払いの利用もでき、手元に現金がなくても決済できるため、販売機会を逃しづらくすることができます。また、現金では購入をためらうような価格の商品でも、お金の受け渡しがない分クレジットカードなら心理的ハードルが下がり決済しやすくなるでしょう。

即時決済なので、未回収リスクがほぼないことも魅力です。さらにリピーターの確保にも役立つのがクレジットカードの強みでもあります。

一度会員登録し、会員が「クレジットカードを登録する」を選択すれば、2回目以降はカード情報の登録なしでスムーズな支払いができます。

事業者側のリスクとして知っておきたいのは、「チャージバック発生」です。不正利用などで利用者が支払いに同意しない場合は、EC事業者がカード会社に返金する義務が生じます。

2.コンビニ: 24時間いつでも支払える手軽さがメリット

コンビニ決済は、紙の払込票や払込用番号を利用してコンビニエンスストアにて決済する方法です。先払いと後払いどちらのタイミングでも提供しているサービスがあります。

払込票方式   1. 紙の払込票が自宅に郵送される
2. 払込票をコンビニのレジに持っていき現金で支払う
払込用番号方式   1. メールで専用番号が通知される
2. コンビニのマルチメディア情報端末にて払込番号を入力する
3. 発見された券をレジで提示し、現金で支払う

利用者側のメリット

  • 24時間いつでも支払える
  • クレジットカードを持っていない・使えない人も購入できる

コンビニまで行かなくてはいけませんが、24時間営業の店舗が多いため、銀行と異なり24時間支払いができます。

また、審査が通らずクレジットカードを持てない若年層やキャッシュレス決済に馴染みのない高齢者層でも利用できることが大きなメリットです。払込票方式は公共料金の支払いでも使われているため、ECストアの決済に慣れていない方でも使いやすい方式でしょう。

事業者側のメリット

事業者にとっては、入金確認が取りやすい点がメリットです銀行や郵便局の場合は、営業時間内でないと入金確認ができません。コンビニの場合は支払いから数分〜1時間以内に入金確認ができるため、すぐに商品を発送できます。

また、コンビニ決済で先払い方式の場合は、代金の未回収や商品キャンセルによるリスクも軽減できますその分取引のスピード(注文〜発送)には時間がかかってきてしまう点には注意が必要です。

3.代金引換:商品と引き換えの安心感が魅力だが手数料がネック

代金引換は、商品が配達された時、配達員に支払う決済サービスです。支払い方法は現金が主流ですが、配送業者によっては電子マネーやQRコード決済などが選べる場合もあります。

利用者にとってのメリット

  • 商品の到着を確認してから支払える
  • クレジットカードがなくても支払える
  • コンビニや銀行に行く必要がない

代金引換のメリットは、商品の到着を確認してから支払えるという安心感が一番でしょう。さらに、クレジットカードを持っていなくても利用できること、自宅で支払えることも選ばれる理由となります。

デメリットとしては、手数料がかかることや現金を用意しておかなくてはいけない点、そして指定時刻に在宅していなければいけない点です。自宅にいる時間が長いと思われる、主婦や高齢者層に向いているでしょう。また、どんなものを購入したのかを配達員に知られたくない、とプライバシーを気にする声もあるかもしれません。

事業者側のメリット

  • 代金未回収のリスクを避けられる
  • 運用開始年数が比較的経っている決済手段であるため、利用者の理解を得られやすい

商品と代金の交換になるため、未回収のリスクを避けられます。また、コンビニ払いより昔からある支払い方法であるため、利用者も使い方を理解しやすく、問い合わせ等のオペレーションが少なく済む可能性があります。

4.銀行振込:手続きがわかりやすく安心して使える決済方法

銀行振込は、指定する金融機関へ代金を振り込んでもらい、振込確認後に商品を発送する前払いの決済方法です。

利用者側のメリット

銀行振込のメリットは、手続きがわかりやすく誰でも安心して利用できる点です。日本は成人の口座保有率が高く、全国銀行協会が発表した2009年度のデータでは97.6%と発表されています。銀行振込ができない方というのはほとんどいないでしょう。

一方、利便性の高い支払い方法が増えてきているため、デメリットが多くなっているのも実情です。

  • 振込に手間がかかる
  • 銀行の営業時間に振込に行かなくてはならない
  • 振込の確認が営業時間内しかできない
  • 金融機関によっては振込手数料がかかる

銀行の営業時間は一般に平日は15時まで、休日は営業していない機関がほとんどです。決められた時間に足を運ぶのはハードルが高いでしょう。ネットバンキングでも、振込の確認ができるのは営業時間内のみです。振込が遅れればそれだけ商品の到着も遅くなってしまいます。

事業者側のメリット

EC事業者にとっては、振込を確認した後の商品発送なので、代金未回収を避けやすい点がメリットです。クレジットカード決済に不安がある方でも利用しやすいため、導入しておくことで機会損失を防げます。
一方で、入金確認や誤振込のリスクなどオペレーションに手間がかかる点もあります。

5. 後払い(掛け払い):代行会社利用で未回収リスクなし

決済代行会社を用いて提供する後払いサービスです。ECサイト上では「ツケ払い」、「ゆっくり払い」などの呼び方が知られています。
利用者は、商品を受け取った後、コンビニや銀行、郵便局などで代金を支払います。払込票によるコンビニ支払いや代金引換も後払い決済のひとつですが、本章では「決済代行会社が提供する後払いサービス」を紹介します。
仕組みとしては、利用者がECサイトで商品を購入すると、決済代行会社から事業者へ代金が立て替えて支払われます。事業者はすぐに商品を発送し、利用者は受け取った後に決済代行会社へ支払いをします。

利用者側のメリット

  • 商品を確認してから支払える(安心感がある)
  • 注文時にお金がなくても購入できる
  • 手数料がかからない

後払いの大きなメリットは「今欲しい。でも今月は支払いが厳しい」という場合でも、商品を購入できる点です。ECサイトで扱われる商品の中には、ファッション雑貨のように季節性やトレンドがあるものがあります。

今すぐ購入することが重要な商品の買い時を逃さないようにするには、消費者の経済状況に依存しない支払手段である後払い決済がおすすめです。

また、オフィス用品やビジネス向けツールを販売するECサイトの場合は、購入者である事業者が請求書を用いた後払いを望むこともあります。事業者は社内規定で決まっている支払い方法以外は対応できないことも多いので、toBのECサイトであれば、請求書払いの代行サービスを用いるとよいでしょう。

事業者側のメリット

  • 後払いでも代金の未回収リスクがない
  • 支払いに関するお客様対応を決済代行会社に任せられる

サービス内容は決済代行会社によって異なるため、代表的なサービスとしてtoC向けの「NP後払い」、toB向けの「NP掛け払い」を例にメリットを解説します。

toC向け「NP後払い」

NP後払いは当社が代金未回収リスクを補償し、代金回収業務も担当することで経理業務の手間を削減するなど、売り上げアップへ貢献できるサービスです。

前述の売上上位30社様の中では、ユニクロ・ジュピターショップチャンネル・LOHACO・ベイクルーズなどでNP後払いをご利用いただいています。2002年の開始以来18年にわたってサービスを拡大し、本記事執筆時点では57,500店舗以上の通販事業者様にご利用いただいております。

「後払いを導入したいものの、自社運用や未回収リスクへの対策が難しい」と感じている方は、ぜひ資料をご覧ください。

toB向け「NP掛け払い」

NP掛け払いは、BtoB取引の請求業務を丸投げできるサービスです。請求に関わる以下のプロセスを委託できます。

  • 与信管理
  • 請求書発行
  • 代金回収
  • 入金管理
  • 督促

10年間蓄積されてきたオペレーションノウハウで、さまざまな企業の決済ニーズに対応しています。toB向けに運営されているECサイトで活用されています。

建材のEC通販「toolbox」を運営する株式会社TOOLBOX様では、もともとクレジットカード払いと銀行振込を用意していましたが、請求書払いのニーズの高さを受けて自社運用を開始。しかし、入金遅延や料金の滞納リスクから、NP掛け払いを導入しました。

導入した2018年から取引件数は5倍になっていますが、担当者一人で決済業務が行えています。2018年当初に比べ、約60%まで決済業務に割いている時間を削減できています。

「顧客から請求書払いの要望を受けている」「自社で運用しているが、決済業務にかける時間を削減したい」

このような悩みを抱えているEC事業者様はぜひ活用をご検討ください。

6. キャリア決済:携帯料金と合わせて決済、スマホユーザーにも手軽

キャリア決済とは、携帯電話の利用料金と合わせて支払いができる決済方法です。2022年1月現在、ソフトバンク、NTTドコモ、auの3つのキャリアで利用できるサービスです。

※楽天モバイルも「楽天モバイルキャリア決済」を提供していますが、Googleプレイ内で購入されるアプリ代金やアプリ内のサービスの料金支払いのみが対象という縛りがあります。

利用者側のメリット

  • 携帯電話を契約していれば誰でも利用できる
  • 決済にかかる操作がシンプル

決済する時は、各キャリアのサイトにログインして4桁の暗証番号を入力するだけなので、とてもシンプルです。スマホからでも、手軽に操作できます。
ただし、現状3大キャリアでしか提供されていないため、格安スマホなどと契約している場合は利用できない点がデメリットです。

事業者側のメリット

クレジットカードを持たない若年層に対応できることがメリットです。クレジットカードと比べると事業者が負担する手数料は高くなることが多いため、他の決済方法とのバランスも検討しなくてはなりませんが、ターゲットや商品によっては機会損失を防げる決済方法でしょう。

7. 電子マネー: 若年層を取り込みやすい手軽な決済方法

電子マネーは、現金をデータ化して決済をする方法です。データのやり取りで現金と同じように使うことができます。
主な電子マネーには、次の3つがあります。

タイプ 特徴 代表例
交通系  電車やバスなど公共交通機関が発行するもの Suica / PASMO / Kitaca / toica/ ICCOCA など
流通系 スーパーやコンビニが発行するもの WAON / nanaco / 楽天Edy / ゆめか など
クレジットカード系 紐づいたクレジットカードやデビットカードで決済されるもの iD / QUICPayなど

支払いは、メールやスマホアプリを通じて行います。それぞれのサービスのページにログインし、支払い手続きをすれば決済できます。

利用者側のメリット

利用者側のメリットは、電子マネーの利用登録をしていれば容易に支払いができる点です。例えば、Suicaの場合、モバイルSuicaに登録していれば、アプリに遷移してすぐに決済が完了します。
一方、登録しなければ使えない点はデメリットにもなりえます。モバイルSuicaではなく、通常のカード型Suicaでは決済できません。

事業者側のメリット

  • 決済時に入金が完了する
  • クレジットカードを持たない若年層を取り込みやすい

事業者にとっては、決済時に入金が完了するため未回収リスクや不正利用のリスクがなく、安全な決済方法と言えます。

また、近年切符を用いて交通機関を使う人が少なくなり、若年層も電子マネーを保有していることがあるため、クレジットカードを持たない・持てない層を取り込みやすいこともメリットです。

導入増が予想される2つの決済方法

ここまで主要な9つの決済方法を解説してきましたが、今後、利用者が増えていくと予想されているのが次の2つの決済方法です。

  1. モバイル決済
  2. 外部ID決済

1. モバイル決済:PaypayやLINE Payで手軽に決済、利用拡大

モバイル決済とは、PaypayやLINE Payなどの決済方法です。バーコード決済やQRコード決済はスマホに特定のアプリをダウンロードし、店頭でコードを読み込むことで支払いができるため、手軽な支払い方法として利用が広がっています。

その決済方法をオンラインでも利用できるようにしたのが、paypayやLINEPay、メルペイなどのモバイル決済サービスです。事前にチャージした残高や、登録済みのクレジットカードで決済を行うことができます。利用時には、特定のサービスのアプリを起動させ、繊維先の画面で支払いをおこないます。

利用者にとっては、実店舗との使い分けをしなくてもシームレスに利用でき、クレジットカードを持たない場合でも利用できる点がメリットです。

ポイントバックキャンペーンが積極的に展開されているサービスがあるのも魅力。いずれにせよ、スマホアプリで手軽に支払いできるとあって、電子マネーよりも利用者が増えている決済方法です。

2. 外部ID決済:個人情報入力の手間なし、小規模サイトで導入増

総合ECサイトとして有名なAmazonや楽天市場などのIDと連携し、あらかじめ登録された情報を元に決済する方法です。

名前や住所、クレジットカードの番号などを改めて入力する必要がないため、手間を省けるのが利用者にとっての一番の魅力です。事業者にとっては、入力が面倒で購入をやめてしまうといういわゆる「カゴ落ち」を防ぐことができるのがメリット自社の会員登録を促すより、購買につながりやすいことが期待できます。

自社に合う決済方法を選ぶ2つのポイントとは?

ご紹介してきたように決済方法ごとにメリットデメリットがあるため、ECサイトの事業内容によって最適な決済方法は異なります。
自社に合う決済方法を選ぶためには、次の2点が検討のポイントになるでしょう。

上記を検討した結果、1つの決済方法に着地することは難しいと思いますし、上述の調査結果にもあるように複数の決済方法を導入した方がユーザーの離脱を防ぐことができます。自社にあった決済方法を複数ピックアップしてみましょう。

1. 商品やサービスに合わせる

まず初めに考えたいのは、商品やサービスとの相性です。ポイントになるのは、価格帯や商品のジャンルです。いくつか例を出して考えてみましょう。

  • 単価の高い商品:分割払いができるクレジットカード決済
  • 単価の低い商品:入力に手間のかからないキャリア決済 / 電子マネー決済 / Paypayなどのモバイル決済
  • 季節性がありすぐに欲しいユーザーが多い衣料品:後払い決済 / 後払いタイプのコンビニ決済
  • サブスクリプション型:入金の手間がないクレジットカード決済

このように、自社の商品を購入するユーザーの心理状況に合わせて考えていきます。

2. お客様の性別や年齢層に合わせる

利用者数の多い年齢層があるのであれば、対象の年齢層が使っている決済手段を導入しましょう。以下は総務省の調査をもとにして制作した年代別決済方法の割合です。

※出典:総務省|総務省通信利用動向調査(令和2年)より編集部作成

総務省が実施した調査から、年代別に利用者の差が出たのはクレジットカードです。10代はそもそもクレジットカードを持っていないため、コンビニ決済が圧倒的に多くなっています。

また、コンビニ決済の利用は女性が多く、ネットバンキングや電子マネーの利用は女性が多いという傾向もあります。ターゲットが使いやすい決済方法を多く揃えておくことで、購入機会の損失を防ぐことができます

決済代行会社を選ぶ3つのポイント

実際に新たな決済手段を導入するにあたって一般的な方法は、決済代行会社を使う方法です。例えばクレジットカード決済を導入する際、自社で複数のブランドと提携することもできますが、毎月それぞれのブランドとやり取りが発生し、決済業務が煩雑になってしまいます。

決済代行会社を使えば、手数料はかかりますが窓口が一本となり、スムーズにECサイトを運用していくことができます。

複数の決済代行会社から、自社に合う会社を選ぶポイントは、次の3つです。

まず初めの決め手になるのは、手数料などのコストですが、コストだけで選ぶのはあまりおすすめしません。安心して長く使える会社を選ぶためには、コストと使いやすさのバランスが大切です。

1. 手数料や固定費などのコスト

決済代行会社との提携時は、初期費用や月額費用、売上あたりの手数料が生じます。月額費用や手数料は、取り扱う件数や売り上げ金額に応じてプランが分かれている場合もあるため、問い合わせをして見積もりを出してもらいましょう。

プランの選択肢が幅広く、事業の展開に応じて柔軟に選べる方が合うケース、プラン数は少なくても手数料が低く負担が軽減できる方が合うケースなど、会社によってさまざまなパターンがあります。

見積もりを出してもらい、想定される費用対効果の試算を出してみましょう

2. セキュリティ体制・実績

決済に関わる個人情報は、万が一漏洩などがあると、信頼が損なわれて大きな損害となってしまいます。リスクを回避するためにも、セキュリティ体制が万全であることが重要です。

セキュリティ認証を確認し、過去のトラブルやその時の対応についても調べておくと安心です。また、導入企業を見てみるのもよいでしょう。東証一部上場企業のようなコンプライアンスを遵守している会社が導入しているのであれば、セキュリティ体制は万全と考えられます。

3. サポート体制

決済代行を入れる場合は、EC事業者と消費者の間に決済代行会社が入るため、基本的な顧客対応は決済代行会社が行います。したがって、サポート体制が顧客満足度を左右するため、オペレーションの習熟度が高いことが重要です。

オペレーションのレベルとは「決済方法がわからない…」「振り込んだんだけど、確認できませんか?」などのお問い合わせに対し、どれだけスピーディーに、丁寧に応えられるかを指します。

オペレーションの精度を直接確認するのは難しいため、取引件数や流通金額を確認してみてください多ければ多いほど、さまざまな要望に対して対応してきたノウハウがあるため、サポートの質も良いと考えられます。

決済代行については「決済代行とは?|仕組みと代行会社選びで見るべきポイント」で紹介しています。

まとめ:クレジットカード以外にも目を向け、自社にあった決済方法を選ぼう

ECサイトの売り上げを高めるには、利用者の利便性を高めてカゴ落ちを防ぐ決済方法を用意しておくことが大切です。どのECサイトでもクレジットカード決済は必須ですが、手ECサイトといえども、全ての決済方法を網羅しているわけではありません。

自社ECサイトのターゲットや商品に合った決済方法を、複数用意しておくことがポイントです。

《再掲:9つの決済方法とそれぞれの特徴》
決済方法 特徴
クレジットカード 最も普及している決済方法、利用者、事業者双方にメリット大
コンビニ 24時間いつでも支払える手軽さがメリット
代金引換 商品と引き換えの安心感が魅力、手数料がネック
銀行振込 手続きがわかりやすく安心して使える決済方法
後払い 安心感のある後払い、代行会社利用で未回収リスクなし
キャリア 携帯料金と合わせて決済、スマホユーザーにも手軽
電子マネー 若年層を取り込みやすい手軽な決済方法
モバイル決済 paypayやLINEPayで手軽に決済、利用拡大
外部ID決済 個人情報入力の手間なし、小規模サイトで導入増

それぞれの決済方法の特徴を知り、自社ECサイトに合う決済方法を導入しましょう。

請求書払いの手間と不安から解放します。

請求書払いへの対応を始めるのは簡単なことではありません。「運用が煩雑化している」「自社で対応できるか不安」といった悩みを持っている方は、請求代行の利用をご検討ください。
  • 請求書払いに対応して取引の機会損失をなくしたい
  • 営業や顧客対応など生産的な業務に時間をあてたい
NP掛け払いを利用すれば、請求業務に悩まされることなく、売上拡大につながる業務に集中できます。まずはお気軽に資料をご覧ください。

FAQ

  • ECサイトでよく使われる決済方法は?

    ECサイトの主な決済方法、「クレジットカード」「コンビニ」「代金引換」「銀行振込」「後払い」「キャリア決済」「電子マネー」の7つです。

    それぞれの特徴やECサイト利用者・EC事業者それぞれの立場からみた、メリットデメリットについては「主な決済方法7つのメリット・デメリット」で詳しく解説しています。

  • 自社に合う決済方法を選ぶにはどうすればいいの?

    自社に合う決済方法を選ぶためには、次の2点が検討のポイントになります。

    ・商品やサービスに合わせる

    ・お客様の性別や年齢層に合わせる

    各ポイントについては「自社に合う決済方法を選ぶ2つのポイントとは?」をご覧ください。

  • 決済代行会社は、何を基準に選んだらいいの?

    複数の決済代行会社から自社に合う会社を選ぶポイントは次の3つです。

    1. 手数料や固定費などのコスト

    2. セキュリティ

    3. サポート体制 安心して長く使える

    会社を選ぶためには、コストと使いやすさのバランスが大切です。詳しくは「決済代行会社を選ぶ3つのポイント」をご覧ください。

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