企業間取引における一般的な決済方法である掛け売りは、取引後に売上金が入金されるため代金を回収できないというリスクがあります。古い商慣習のもと、営業担当が請求業務を行うのは、会社の利益を生み出す肝心の営業活動がスポイルされかねないため企業にとってマイナスとなりえるものです。
ここでは、経営者などマネジメント層を対象に、掛け売り取引のリスク管理をどうすれば解決できるのかについて解説します。営業活動を圧迫する請求書発行や送付作業、未入金の督促、回収といった決済業務をなくし、生産性を向上させる方法についてまとめます。
トータルコストの削減と仕事の効率化が事業拡大の要
「こなす仕事」「取り組む仕事」というものがあります。こなす仕事とは定型的なルーチンワークを指し、取り組む仕事とは高度で非定型的な専門業務を指します。企業では前者を「非コア業務」、後者を「コア業務」として位置づけ、いかに定型的な非コア業務を簡素化し、コア業務に社内リソースを集中させるかを重要な経営課題としています。しかし、こと決済業務、請求業務に関して言えば、そこにメスを入れる企業はまだ少ないかもしれません。
いまだに請求業務を営業担当が担っている企業が多いのはその顕れでしょう。企業規模が小さいベンチャーなどでは珍しくないことですが、一般の企業でもどういうわけか請求書の発行から送付作業、未入金の場合の督促や回収といった「こなす仕事」に時間を取られ、会社に直接的な利益を生み出す営業担当の活動が大きく阻害されていることが当たり前のようになっています。
日本能率協会コンサルティングの調査では、営業担当が客先へのアポイントや商談、提案書作成などのコア業務に割いている時間は全体の3割で、残りの7割は非コア業務に費やしているという驚きの結果が報告されています。逆に言えば、非コア業務の中でもとりわけ煩雑な請求業務を効率化すれば、人的・時間的リソースのロスが解消し、トータルコストの削減が可能になるということです。事業拡大や業績向上を考えれば、やはり請求業務を見直すことが先決と言えるでしょう。
生産性を高めるコア業務に集中させるため請求業務の見直しを
企業間取引で掛け売りを行う企業にとって、請求業務は売上回収のために不可欠。しかし、その業務自体が“直接的”な利益を生まないルーチンワークであることもまた事実で、プロセスの効率化やコスト圧縮が求められるのは当然と言えます。
それにはまず経営者層やプロジェクトリーダーが、社内を見渡し、営業や開発などコア業務を担う部門、部署、人材が請求書作成のようなルーチンワークに駆り出されていないかを入念にチェックすべきです。前述したように、営業担当の多くが勤務時間の7割を非コア業務に充てていることから見ても、大きな損失が生じていることは明らかで、ここを改善しない限り生産性の向上は期待できません。
しかも生産性が下がるだけでなく、コア業務である営業活動に支障が出ていたとしたら目も当てられません。自社の健全な成長発展を阻害するこうした非効率な業務の見直しこそ、多くの企業に求められている喫緊の課題と言えるでしょう。
アウトソーシングするなら未回収リスクに備えられる決済代行会社を選ぶ
「そもそも営業がすべき仕事か?」と思われるのが、取引先の未払いへの督促と代金回収です。時間のロスという単純な問題ではありません。こうした、「こなす仕事」に振り回されることで営業担当のモチベーションが低下し、顧客開拓に消極的になることがあっては深刻な事態を生み出します。また、督促・回収業務そのものが営業担当のやる気に水を差してしまうでしょう。
こうした背景から代行会社を選定するときは、請求書作成や発行だけなく、与信管理、未収金の督促や回収までを一括して任せされる代行会社を選びましょう。非生産的な請求業務に営業担当が振り回されることがなくなり、コア業務に100%専念できる環境を社員に提供できるようになります。
まとめ
与信審査から請求書の発行、代金回収、未入金の債権管理までBtoB取引に伴うすべての請求業務、さらには未回収リスクもワンパッケージにした決済代行サービス「NP掛け払い」なら、営業担当が顧客へのアポイントや提案、クロージングなど利益に直結した本来のコア業務に専念できるようになります。安定した売上確保と事業成長にも効果が期待できるため、まさに一石二鳥と言えるでしょう。